秩父札所とはどのようなものか?信仰の対象や【札】を解説!
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秩父観音霊場・札所めぐりで使うGPS対応巡礼地図を作りました。
秩父札所巡りでは、御朱印は参拝の証としていただく大切なものです。ここでは秩父札所での御朱印のもらい方や巡礼の作法、納経料についてわかりやすく紹介します。
旧正月の2月某日、坂東札所巡礼で浅草寺を参拝しました。
言わずもがな、9割外国人。いいえ、東洋系は判別困難、かつ物凄い人数なので限りなく10割に近かったかもしれません。
さらに驚いたのは、御朱印待ちの人数が100人以上で、想像を遥かに超えていた事です。
ここまで書くと、ほとんどの人は【オーバーツーリズム】の問題とリンクさせてしまうのでしょうが、そうではなくて、そこで御朱印を受け取った時の外国人の表情が、みんな【いい顔】だったという話なんですね。 それぞれの国のSNSを通じて、御朱印ブームが起きているのだと容易に想像できます。
そして、日本に思いを馳せて、来日して御朱印をいただく。
手書きの美しさに触れた瞬間の表情は、日本文化に触れた実感と【アート】を手に入れた満足感、祈りという儀式を終えた安心感などが、全て含まれた【いい顔】なんですね。
僕は少し誤解していたのかもしれない。そう思うのに、さほど時間はかかりませんでした。
外国人は敬意を持って御朱印を集めていることも、その表情からすぐに理解できましたし、それはきっと、大切な旅の記録になるんだろうなと、温かい気持ちにさせてくれました。
秩父札所の寺院だけではなく、巡礼の作法として、御朱印は【祈り】の証となりますので、【経】を納めた後にいただくのが作法です。
読経(納経)が終わったら、寺務所(社務所)らしきところに、【納経所】と書かれた場所がありますので、そこで御朱印をいただいてください。 わかりやすく案内表示がありますから、札所の境内で迷うことは無いと思います。
御朱印は、納経帳だけでなく、掛け軸、笈摺などに押してもらえますが、それ以外のノートなどには、残念ながら対応してもらえません。
納経帳に、本尊名、寺号を墨で書いて朱印を押すと【書き入れ朱印】として500円、2巡目からの納経帳には【重ね印】として200円の納経料がかかります。
笈摺や白衣に朱印を押すと200円【朱印(白紙)】、押す場所に御詠歌などの印刷があれば500円【朱印(印刷)】の納経料がかかります。
納経帳の綴じ紐は、書きやすいように緩くしておくのが一つのポイントです。
納経帳の【秩父第十七番実正山定林寺】のページを開いて表紙を上にして置きます。その状態で、背の部分を押しながら紐をしっかり閉じれば大丈夫です。
笈摺が白無地であれば、納経料は200円です。御詠歌の印刷が入っていると、納経料は500円になります。
笈摺を購入した場所で聞いた話ですが、「百観音を廻る方は、笈摺に御朱印が全て入らないので、1番札所と33番(34番)札所の御朱印をもらい、結願(満願)とするようだ。」との話から、私も実際にやってみることにしました。
笈摺中央に印刷された南無観世音菩薩の【南】の左右が平成23年の徒歩巡礼。【薩】の左右が坂東札所でまだ結願していません。
そして、一番下が平成26年の甲午歳総開帳です。
掛け軸に作られた御朱印用の枠が、札所の数と合わないことがあって、通販サイトで実際に掛け軸を確認していただくとわかりますが、36箇所と、38箇所のタイプがあるんですね。
通販を利用するのであれば、秩父札所専用の34箇所のタイプも探せばありますので、枠の数まで確認したほうがいいと思います。
徒歩巡礼を結願した2011年頃は、情報が少なくて、いくら考えても答えが出ない。33箇所か34箇所じゃあないの?と、インターネットで調べても出てこないから、ほんとうに困ったんですね。そこで、秩父札所の納経所で聞いてみると、『善光寺さんの御朱印をもらったという方もいましたねえ』という曖昧な禅問答で終わりました。
とはいえ、ヒントをいただいたので、さらに調べてみたんですね。
そうすると、西国や坂東札所巡礼では番外の存在があって、そのうえ、総仕上げの最終巡礼として、最後に善光寺を参拝するというのが慣習になっていたようです。
付け加えると、上田市別所温泉にある北向観音と善光寺はセット(両詣り)になっていて、北向観音が信州の観音信仰の中心だった歴史的背景もあって古くから参詣されていました。
ただし、秩父札所では歴史的な裏付けがないので、積極的に勧めるわけには行かない。でも掛け軸の製造業者としては、需要もあるので、大は小を兼ねるで36を選択するしかない。ということで掛け軸の枠組みが考えられたんだと思います。
秩父札所連合会のサイトの中に、『秩父札所27番大渕寺に関する注意点』というタイトルの付いたページがあるんですが、見てもメリットはないのでスルー(連合会が一つの寺を批判しているように思える内容)で良いと考えます。理由を簡単に言えば、寺だけの問題ではないからです。
秩父札所ではありませんが、インターネットで調べた感じだと、寺社側に対して、御朱印を貰う側の不満がちらほら見られます。御朱印ブームの裏で【商品代金】と【志納】の誤解が双方に生まれているわけですね。
お寺や神社は接客業ではありませんし、志納とは【お布施】と一緒ですから感謝の気持を表すもので、御朱印は商品ではありません。
秩父という山間の里山に点在する寺では、収入が少なく住職を常駐させるのは難しいわけです。寺は檀家が少ないとどうなるのか?そう、維持していけません。それでも、札所の御朱印文化は続いている。なぜか?それは、地元の人が交代で札所を守り、代々地域で御朱印を書いてきたという歴史があるんですね。
無住で檀家寺でもなく【聖地】として地域が支えてきた観音信仰を温かく見守ってほしいと願います。
新型コロナウイルスが流行していた時期から、寺社によっては奉書紙に書かれた、書き置きの御朱印を用意しているところもあります。けれども、秩父札所は全て手書きで対応してくれています。それと、秩父札所巡りは3巡していますが、高圧的な態度や、ぞんざいに扱われた記憶は全くありません。