ゆるーり秩父、寺めぐり。【秩父札所編】

秩父観音霊場・札所めぐりで使うGPS対応巡礼地図を作りました。

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【秩父札所】おすすめの服装を解説!白衣、笈摺とは

秩父札所めぐりではどんな格好をすればいいのか?

秩父札所白衣を着た巡礼者のイメージ画像

巡礼と聞くと白装束の『お遍路さん』をイメージされるかと思いますが、秩父札所の巡礼では白衣(びゃくえ)や笈摺(おいずる)などの巡礼用装束を身に着けている方は、それほど多くありません。

札所1番の四萬部寺から2番へ向かう峠の途中に、【皈一】と刻まれた路傍の石碑があります。風雨にさらされながらも、時代を越えてひっそりと佇むその石は、皈一(きいつ)【1】という文字、そして、江戸時代から巡礼道の道端に置かれている意味を考えれば、巡礼中に亡くなられた方の墓石なのかもしれません。白衣は【死に装束】という意味があります。札所巡礼が徒歩に限られ、巡礼そのものが過酷だった時代は、怪我や病気だけでなく盗賊などの出没もあり、巡礼者は命懸けで覚悟を持って白衣を身に着けたわけですね。見方を変えれば【白衣】を着用して【同行二人】となることが、唯一自分を守る方法だったのかもしれません。

交通網が発達した現代においては、本来の【白衣】の意味も、時代とともに変わりました。白無垢を身に付けることで、全てを無にして事象を受け入れ、観世音菩薩に帰依する。そんな意味も含めて、札所巡礼の正装として認知されています。

徒歩巡礼なら輪袈裟が便利!

秩父札所巡礼者のイメージ画像

従来のしきたりや文化を守るのも大切ですが、徒歩で巡礼する場合の服装は、動きやすいハイキング用のもので、通気性や伸縮性を考えて選ぶのが良いかもしれません。寺院での参拝時のみ、気持ちを切り替えて、巡礼のルールに従うのであれば、袈裟を簡素化した輪袈裟がおすすめです。【輪袈裟】は折りたたんでリュックの隅にまとめられますので、荷物も必要最小限におさえることができます。

バスツアーやドライブ巡礼なら笈摺をおすすめ!

秩父札所24番の巡礼者の画像

秩父札所の巡礼で、白衣と笈摺に身を包まれた方に遭遇するのは、バスの巡礼ツアーがほとんどです。個人で観光も兼ねたドライブ巡礼であれば、服装に関しての決まりは特に無いので、外出用のカジュアル服で充分なのではないでしょうか。

秩父札所巡礼者の服装画像

参拝方法のページでも申し上げましたが、聖地での作法という面から見ると、寺院一か所だけならまだしも、札所巡りをするのであれば、輪袈裟と笈摺をおすすめします。

笈摺とは袖なしの白衣のことで、背中に【南無観世音菩薩】と書かれています。朱印の押印欄が印刷されたものもあり、朱印用の装束として見る向きもありますが、本来は荷物を背負った際の擦れ防止として使われていました。

笈摺に朱印をいただくと、顔料でシートが朱に染まるので注意が必要です。視点を変えて【参拝用の着替え】として考えれば、ドライブ巡礼のお役立ちアイテムとして大いに活用できますね。

ゆるーり秩父、寺めぐり。の管理人はこんな格好をしています。

ボタンダウンのシャツと白系のチノパン。その上に【笈摺】と【輪袈裟】を着用しています。

秩父札所笈摺を着た巡礼者のイメージ画像
2014年3月秩父札所第4番山門前

※1 皈は帰の異体字。「かえる」という意味があり、皈一は同じ所に帰着すること。

【その他】札所めぐりの前に知っておきたいポイント