ゆるーり秩父、寺めぐり。【秩父札所編】

【秩父札所】観音巡礼・札所めぐりで使うGPS対応巡礼地図を作りました。

秩父札所第1番までの巡礼道画像 秩父札所第1番までの巡礼道モバイル用画像

和銅黒谷駅から秩父札所第1番まで歩きます。

通貨発祥の地に降りてみる!

ダブル台風という言葉が、すっかり世間に定着した2015年10月の第3週。危機意識も薄れゆくなか、赤道直下には、今年3回目のダブル台風が発生しています。

日本列島付近に停滞する高気圧の力で、秩父はとっても良い天気。台風の影響も全くないという予報を信じ、この週末、和銅黒谷駅に降りてみました。

朝廷に献上された銅の採掘遺跡があることで知られる駅ですが、今日のテーマは『わどうかいちん』ではありません。

秩父三十四箇所観音霊場の巡礼はいうまでもなく、そこにいたる道、参詣道や札所間の巡礼道を歩くこと、こちらを主たるテーマにしたいところですが、いったいどうなることやら・・・。

和銅黒谷駅和同開珎の画像

和銅黒谷駅のホームには和同開珎のモニュメントが置かれています。ここから採掘された銅は良質な自然銅で、通貨として利用され、その時代の元号(和銅708から715)まで変えてしまうことになるんですね。

和銅黒谷駅駅舎の画像

駅舎は古いながらもキレイに整備され、レトロで魅力的な場所になっています。もちろんICカードは使えません。

でも、この駅に降りると、省力化と引き換えに失ったものの大切さを知ることになったりします・・・。

人とのコミュニケーションがビンテージ化しないよう、都市部の生活に疲れた時、テレビやパソコンから離れて、ふらっと見知らぬ駅に降りるのも良いのではないでしょうか。

でもスマホだけは忘れないでくださいね・・・o(^-^)o

和銅黒谷駅駅名標の画像

秩父札所への参詣道(さんけいみち)を歩いてみる!

11時28分、和銅黒谷駅から駅前道路を進みます。ウオーキングの開始時はいつもそうですが、景色の違いも重なり合って、地に足がついていない感じ・・・。

そこから、ちょうど足がなれてきたころ、鉄道と並行した交通量の多い道路で信号待ちを余儀なくされます。

そこは一般国道140号線。古来より秩父往還と呼ばれ、秩父を経て甲州へ抜ける交通の要となる街道です。

私はクルマに乗ってこの道を利用することも少なくありません。しかし『クルマは騒音を出すモノ』という認識が不足していたことを、ここで知ることになりました。

スピードに乗ったトラックや改造マフラーのバイクの音などは、けたたましいほど凄いもので、歩道に立っていると思考が停止してしまいます。

和銅黒谷駅から1番参詣道1の画像

過去の未成熟だった自分を反省しつつ、どちらかといえば改造マフラー側だった私がいうのもなんですが、『ゆるーり秩父』でしずーかにお願いしますね・・・。

季節の風物詩、稲架掛け(はさかけ)を見ながら、秩父往還の旧道をゆっくり歩きます。

和銅黒谷駅から1番参詣道2の画像

国道から旧道に入ると、時間の流れが劇的に変化します。二本の並行した道路の間に建物がひとつあるだけで、クルマの走行音もだいぶ小さくなるんですね。

石仏や道標を見て、江戸時代の巡礼者の気持ちになる。ようやくそんな気分になれそうです。

穏やかな環境で、心に余裕を持つことって、とても大事なことなんですね・・・。

和銅黒谷駅から1番参詣道3の画像

江戸時代の秩父参詣道は、熊谷通り、川越通り、吾野通り、名栗通りなどに分けられます。

今歩いている道は熊谷通りで、途中矢那瀬経由と釜伏峠経由の二つに分かれていて、この街道は矢那瀬経由になるんですね。

その時代は、江戸と川越とのつながりが深く、安戸宿から粥新田峠(かゆにたとうげ)経由の川越通りがもっともよく使われたそうです。

元禄8年(1695)と刻まれた道標の、右大みや道、左壱番道を見ながら、もちろん『壱番』へ向かいます。

和銅黒谷駅から1番参詣道道標の画像

交通量の増加にともない道路の拡幅工事がおこなわれ、幅4メートル以下の巡礼みちは少なくなりました。

それと同時に、巡礼古道の決め手となる道標も移動や紛失などがあって、一般国道140号沿線や秩父市内では、現状から道筋を判断するのは難しい状況なんですね。

それでも、バイパス化による『時短』というテーマから外れた街道や、横瀬町方面では、まだまだ巡礼古道の散策を楽しむことができます。

一般国道140号線とは、しばしのお別れです。まっすぐ行く方が早いんですけどね、思考停止よりは・・・。

和銅黒谷駅から1番参詣道4の画像

スマホ用巡礼地図の調査も兼ねた散策ですので、分速60メートルは無理かな・・・。

和銅黒谷駅から1番参詣道5の画像

まだ、コスモスが咲いているんですね。8月第4週の宝登山頂上にも咲いていたのを思い出しました。

和銅黒谷駅から1番参詣道7の画像

右八ばん 左一ばん みち と刻まれた道標です。もちろん左へ。

和銅黒谷駅から1番参詣道8の画像

休日の過ごし方に点数を付けると、青い空さえあれば90点・・・。

プラス昼が蕎麦なら100点満点。

今日は、90点どまり。この街道、食事処が少ないんですねぇ・・・。

和銅黒谷駅から1番参詣道9の画像

川越通りと接続します。この道は埼玉県道82号長瀞玉淀自然公園線に指定され、一般国道140号線の抜け道になっていて、比較的交通量が多いんですね。

和銅黒谷駅から1番参詣道10の画像

秩父札所巡礼地図のGPS機能を使ってみます。

この狭小な直線部の先が、秩父札所第1番四萬部寺の門前ですね。

目的地はもうすぐ、目と鼻の先にあります。

巡礼地図第1番付近の画像
「地図データ: Google、ZENRIN」

県道の拡幅工事が第1番四萬部寺を挟んだ南北まで迫り、門前の道路を残して中断しているようです。

とくに門前は見通しの悪い曲線部となっていますので注意してください。

この佇まいが残るのは大歓迎ですが・・・。

和銅黒谷駅から1番参詣道11の画像

12時42分到着しました。11時28分に和銅黒谷駅を出ましたので、74分(43.2m/分)ですね。

ん?『ゆるーり』しすぎたかも・・・。

和銅黒谷駅から1番参詣道12の画像

このあとは秩父札所参拝記に続きます。

その他注意事項

  • 秩父札所巡礼地図はGoogle Maps Javascript APIを利用しています。
  • モバイル用の画面表示はiPhone5sを利用しています。

和銅黒谷駅から秩父札所第1番までの移動経路

移動経路の高低差(m)

宝登山神社奥宮までの高低差の画像

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サンプル

秩父三社の三峯神社へお参りします。

大輪バス停から三峯神社への表参道を徒歩で登ります。高低差はスカイツリー以上。突発的な熊との遭遇や怪我の防止に全神経を集中させながらの2時間半、いまだかつて一度も経験したことのない不思議な体験をしました。